<シアタートラブル>「センタースピーカーから音が出ない!」「バイアンプ」「バイワイヤリング」がキー。

ホームシアターを設置させていただいたお客様からのヘルプコール。

「センタースピーカーから音が出ない」

お詳しいお客様なので、ご自身で、AVアンプのテストトーンで、各スピーカーの音量も確認済みだそうで。
さらに詳しく、お聞きすると、全く音が出ないわけでなく、小さい音は出ているそうな。

早速、ご自宅に駆けつけてみたところ、、、数分で解決。

原因は、、、スピーカー端子の短絡板(ショートバー)の、接触不良。わかる人なら、これだけで、あー、なるほど。となりそうだけど、、、これまでも、同様のご相談を受けたことがあったものの、結構、わかりづらいというか、なんか不思議と思われる現象なので、改めて、解説してみよー。

目次

バイアンプとは?バイワイヤリングとは?

バイワイヤリング接続対応のスピーカー

かなり、遠回りするようだけど、、、まずは、理解が必要な点。

バイアンプとは、、、スピーカー1本に、2台のアンプを接続する方法。(1台のアンプで、スピーカー出力が2系統あるものも含む)
バイワイヤリングとは、、、スピーカー1本に、2本のスピーカーケーブルで接続する方法。

ざっくりな説明で、これでいいかと。
この解説を熟考すると、バイアンプは、バイワイヤリングでもあるとわかるんじゃないかと。
オーディオ業界で、一般的なのは、「スピーカー出力が2系統あるアンプと、バイワイヤリング対応のスピーカーを接続」。

少しいいお値段のスピーカーは、2組のスピーカー端子が搭載されていることが多い。それぞれ、高音用と低音用の端子として。

バイアンプも、バイワイヤリングも、共通するメリットは、高音と、中低音が独立することで、相互干渉を最大限まで減らせること。濁りが減り、よりクリアな音質になる。比較試聴してみると、かなり明確に違いを感じられることが多い。

スピーカー端子が、1組じゃなく、2組

同一極性の端子を短絡(ショート)させるための、短絡板(ショートバー)

スピーカー端子が1組じゃなく、2組、つまり、バイワイヤリング接続対応の場合、、、工場出荷時は、ほぼ、短絡板(ショートバー)、短絡ワイヤー(ショートワイヤー)が、接続されていて、スピーカーケーブル1本を接続する場合、2組のどちらに接続しても、同じ。

バイワイヤリング接続する場合、短絡板or短絡ワイヤーを、はずして、それぞれに、スピーカーケーブルを1本ずつ、合計2本接続する。

そして、アンプ側が、バイアンプになっていれば、もう、完璧!よりいい音が楽しめるのだ!

(興味のある人へ)パッシブクロスオーバーネットワーク???

フルレンジ(1way)スピーカー ソニー「SS-CSE

低音から高音までを1つのユニットでカバーするのが難しいことから、オーディオ用スピーカーの場合、多くが、2way以上。1ユニットから成る、フルレンジとか、1wayとか言われるスピーカーは、オーディオ用としては、珍しい。↑Atmos用スピーカーとか、天井埋込用スピーカーとか、用途限定のもので、1wayは多い。

2wayスピーカー DALI「SPEKTOR2

2way以上のスピーカーの場合、、、アンプからの信号は、それぞれのユニットへ、分配して送る必要があるが。
当然、高音担当のユニットには、高音のみ、低音担当のユニットには、低音のみと、、、アンプからの信号は、セパレートして送る必要がある。
それを行うのが、スピーカーに内蔵された「パッシブクロスオーバーネットワーク」という、アナログ回路だ。2way以上のスピーカーには必ず搭載されている。LPF(ローパスフィルター、低音のみを通す)、HPF(ハイパスフィルター、高音のみを通す)の働きをするもの。同様のものが、イヤホン、ヘッドホンにも搭載されてるはず。

ちなみに、、、カーオーディオでは、アンプ側でその役割を行う「デジタルクロスオーバーネットワーク」というのを使うらしい。

結局、トラブル原因は?

冒頭に書いたとおり、スピーカー端子の短絡板(ショートバー)の、接触不良。

バイアンプ、バイワイヤリング接続ではないため、短絡板が必要。それが、なんらかの理由で、短絡板が、「浮いた」形となり、接触不良を起こしていた。スピーカーケーブルは、低音側に接続されていたため、高音側には信号が届いていなかった。さらに、AVアンプで、ウーハー接続している場合、低音は、ウーハーだけに信号が送られるため、今回の場合、低音も高音も、スピーカーからは、ほぼ出力されず、[音が小さくなった」と感じたわけだ。

実際に、聴き慣れたテストトーン(全域のノイズ。ピンクノイズ)を出せば、高音のみが全く出ていないと気づき、トゥイーターが故障 or 高音信号のみ入力されてないか出力されていない。と判断できるので、すぐに、短絡板の接触不良を疑うことになったわけ。

おしまい。。。

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