<実機レビュー>「α7C」の「C」は、「Compact」の「C」。ファーストインプレッション!
デジタル一眼カメラ「α7C」
ILCE-7CL(ズームレンズキット)ソニーストア価格239,000円+税
ILCE-7C(ボディのみ)ソニーストア価格209,000円+税
10月23日(金)発売
フルサイズセンサー搭載のα7シリーズの中では、異色ともいえる「α7C」の登場で、正直、販売店である当店も、実は、結構、あたふたしており、、、巷でも、様々な意見が飛び交ってる状況。。。
これまでのα7シリーズは、初代こそ、コンパクトなフルサイズ機であることを売りにしているところもあったが、今では、純粋にいい写真が撮れることからも、カメラ好き、ガチ勢を中心に支持されるカメラになっている。そこへ、「Compact」を名に冠した「α7C」が登場。コンパクト????α7シリーズなのに、α7シリーズじゃないのか?プレスリリース後の資料、スペックなど見ても、店長野田、かなり、混乱しておりました。。。
という中、実機さわってみての、1stインプをお届け。。。
<重要>
ガチ勢じゃないよ。気軽にいい写真撮りたいだけだよ!という方は、ここから、最後まですっ飛ばして、最後の「まとめ」だけ、ごらんください。数分で読めますm(_ _)m
「α7C」の「C」は、「Compact」の「C」
基本スペックを踏襲しているという、α7Ⅲと比較すると、かなりのダウンサイズっぷりに、驚く。また、APS-Cセンサーのα6600とすら、サイズは同等と言える。
↑見た目の最も大きな特徴は、本来あるはずのペンタ部がなく、天面がフラットであること。
ソニーαであれば、この外観は間違いなく、APS-Cであるα6000シリーズのそれだ。が、実際は、α7シリーズである、フルサイズ機なのだ。ペンタ部がないことで、大幅に容積が減り、カバンへの収納がしやすくなる。気になる、液晶モニターの擦り傷も、バリアングルモニターだから、ひっくり返して収納すれば、OK。
↑α7Cを一番わかりやすくイメージできる。フルサイズ機には見えない。手軽に使えるぞ!的な。。。
↑結構気にする人が多いであろう、小指の「かかり具合」。こればっかりは、カタログ、スペック、、、どれをにらんでもわからない。実際にホールドしてみないと。
大きめの手の店長野田の場合。ぎりぎり小指がかかる。重量級レンズ装着時には、小指のふんばりはあまり期待できなさそう。対して、α7Ⅲは、はみ出るものの、十分ふんばってくれる。また、α6600と比較しても、α7Cのほうが、小指のかかりは、浅いくらい。グリップの握り方は、ビミョウに、人それぞれ、くせ、個性があるから、小指のかかり具合が、気になる人は、やはり実際に握って確認したほうがいい。
重量。
α7Ⅲより、約140g軽い。レンズをいろいろとっかえひっかえしても、常に、α7Ⅲより、140g軽い。コーヒー一杯分、シーチキン缶1個分、明太子3腹分、、Xperia Compact系1台分、1円玉140枚分・・・失礼。。。
本格的な撮影のときのMAX装備というよりは、常用のMinimum装備での140gは、相当大きいよね。ファインダーありで、この軽量化は、すさまじい苦労だったかと。
本当に、手軽に持ち出せる、フルサイズ機だ!
「Compact」により、失ったモノ?
既存α7シリーズユーザーが、最も気にしていたものの1つが、「操作ボタン」じゃないだろうか?
コンパクトになれば、当然、配置できるボタン数にも影響するはず。
実際、α7Ⅲと比較して、
・C(カスタム)ボタン数4→1
・AELボタン→なし
・前ダイヤル→なし
・マルチセレクター→なし
合計6つのボタン&ダイヤルが、ドロップしている。確実に操作性に影響がでるわけだが、コンパクト化するためには、避けられなかったんだろう。
しかーし、それをそのまま放置するソニーではない!!!少しでも操作性を考えて、いろいろ工夫を凝らしているのだ。
※AF点の移動に、マルチセレクターは必須じゃ!という方も多いかと。これについては、重要ポイントなので、後ほど。
●マイダイヤル設定
マニュアルモードでは、前ダイヤルが絞り、後ダイヤルがシャッタースピード。これが定番だろう。
α7Cでは、前ダイヤルがないのを、マイダイヤル設定で、カバー。
コントロールホイールと、後ダイヤル(コントロールダイヤル)のカスタムを、3パターン登録し、予め割り当てたカスタムキーを押すことで、パターン1→パターン2→パターン3→パターン1・・・とトグル式に切り替えられる。
↑マイダイヤル設定使用中は、液晶モニターに内容が表示される。わかりやすい。
●ボタンカスタマイズ機能
α7Ⅲのボタン数11個に対し、α7Cでは7個に減少したカスタマイズボタン。が、割り当て可能機能は、81項目から115項目へと大幅に増加。さらに、カスタム設定画面は、従来のテキストオンリーから、直感的にわかりやすいグラフィカルな画面になった。静止画用、動画用、再生時用と、個別に割り当て可能。
↑α7Ⅲなどの設定画面。
↑本体7個のボタンとは別に、レンズの「フォーカスホールドボタン」も、もちろんカスタム可能。同様に、グラフィカルな画面でカスタマイズ可能。
●Fn(ファンクション)ボタンのカスタマイズが、わかりやすく
↑ボタンカスタマイズ機能同様、ヒジョーにわかりやすくなった、Fnボタンのカスタマイズ画面。
静止画用、動画用と、個別に設定可能。
↑α7Ⅲなどの設定画面。
これまでは、Fnカスタマイズは、いったん設定してしまったら、わかりづらいこともあって、気軽には設定変更する気が起きなかったが。α7Cなら、直感的にわかりやくて、とことんベストなカスタムを追求したくなる。。。
●マウント強度
↑気にしすぎなのか・・・当初より、指摘している人もいらっしゃったが。
マウントの固定ネジの本数。M3ボディー以降は、6本ネジ。それがα7Cでは4本ネジ。
α7RⅡ、α7SⅡなどは、4本ネジなので、重量級レンズが一概にダメってことにはならないだろうけど。
●電子先幕シャッター
↑α7Cの設定画面
↑α7Ⅲの設定画面
α7Cの設定画面には、電子先幕シャッターの入切の項目がない。が、公式スペックシートでは、電子先幕シャッターが存在することになっている。結論としては、メカシャッター時は電子先幕シャッターが常時入。サイレント撮影入にしたときだけ切になる。大口径レンズ&開放&高速シャッタースピード時に生じる「ボケ欠け」は、電子先幕シャッターの弱点。と言われているが、それを防ぐために、「切」にしたいという需要が、α7C使用時にあるかどうか。。。
●0.39型電子式ビューファインダー (XGA OLED)
ドット数は、α7Ⅲと同じだが、倍率はα7Ⅲの0.5型0.78倍に対し、α7Cの0.59倍。これも、当初より、気にされている人も少なくはなかった。同倍率のものを調べてみると、サイバーショットRX100M3~M7。んー、なんだか不安だぞ^^;
が、実際、ファインダーをのぞいてみて、ほっとした。RX100シリーズより、相当見やすく感じた。あくまで、体感だが、大きくすら感じた。
ちなみに、アイピースカップは、取付不可。
マルチセレクターと、リアルタイムトラッキング
後回しにしてた、マルチセレクター絡みの話。。。
↑α7Cには非搭載の、便利なマルチセレクター
↑α7Cでは、AF点の変更なら、コントロールホイールで、代用できる!
↑みんなよく使っている、「フォーカスエリア:フレキシブルスポット:S」で、ご紹介しよう。
まず、コントロールホイールの中央ボタン押下で、AF点移動モードになる。この状態で、コントロールホイール上下左右の押下で、マルチセレクター同様、AF点を自由に移動できる。なんとか代用できる。
が、、、ある意味、マルチセレクターでのAF点移動よりも、優れた方法が、α7Cでは可能なのだ!!!!
その前に、リアルタイムトラッキングの話。
α7Ⅲには搭載すらされていないのに、α7Cでは搭載された、リアルタイムトラッキング。しかも、操作性に磨きをかけて。。。
なんと、α7Cでは、AF-S、AF-A、DMFモードでも、AF-ONを押すだけで、リアルタイムトラッキングが作動する!!!!すげーぞ!α7RⅣですら、AF-C+フォーカスエリア:トラッキングで、作動するという、条件付き。
ということをふまえて、マルチセレクターでのAF点移動よりも、ある意味便利な方法をご紹介。
↑まず、AF-ON押下で、リアルタイムトラッキングで、被写体捕捉。
↑そのまま、フレームを移動し、被写体を置きたいところへ。このとき、リアルタイムトラッキングのおかげで、被写体に合焦したまま、、、そして、パシャリ。
これまでなら、まず、フレームを決めてから、マルチセレクターでAF点を被写体まで移動させて、合焦。という流れだが、、、α7Cなら、どのフォーカスモードでも、リアルタイムトラッキングが発動するため、こんなイレギュラーとも思えるテクニックが使用できる。AF点の移動距離が長ければ長いほど、圧倒的にリアルタイムトラッキングを使ったこの方法のほうが、爆速。もちろん、リアルタイムトラッキングで補足しきれないようなシーンでは使えないテクニックだが。ファインダーを使わず、液晶モニターを使っての操作なら、タッチフォーカスでOK。
本来、車や動物、、、そして、風で動く花など、動体のためのリアルタイムトラッキングだが、以外にも静止物にも使用できるという話でした。。。
バリアングル液晶モニター
↑α7SⅢに続き、α7Cでも採用された、バリアングル液晶モニター。
↑パカッと横に開いて、
↑くるっと回転させれば、、、
↑セルフィーもOK
↑液晶が絶対傷つかない状態。α7SⅢのときもそうだったけど、あまり話題にならない^^;持ち運び時にもすごく便利だし、EVFのおかげで、ファインダー覗いた状態でも、ほとんどの操作ができてしまうから、撮影時でもこの状態なら、鼻の脂からも、保護できる。撮影写真プレビュー時も、EVF使う人がほとんどだし。
↑スマホ動画撮影が増え、縦位置映像がずいぶんメジャーになってしまったこともあってか、、、
こんな風に縦位置動画撮影時に、縦位置情報が動画に書き込まれるようになった。再生時にちゃんと縦位置表示されるとのこと。
インターフェース
まず、カバーの話。カバーは、しっかりとしたヒンジタイプなり、安心して開閉できるようになっている。
インターフェースは、マイク、イヤホン、HDMIマイクロ端子、USB Type-C。microUSBはドロップ。
バリアングル液晶モニターを開いて回転させる場合は、マイク端子以外は使わないだろうという想定で、マイク端子だけは、回転させても干渉しない位置に配置されてる。考えられてるねー。
ズームレンズキットの「FE 28-60mm F4-5.6(SEL2860)」
α7Cのために作られたと言っても過言ではない。みごとなサイズ感。
実は、このレンズ、リトラクタブルレンズなのだ。この状態は、収納された状態。
白いポッチがあって、その先に、「28」の数字が見えると思うが、そこまで回すことで、撮影状態になる。
↑収納したままで、カメラ電源オンにすると、こんなアラートが表示されて、撮影できない。
↑28mm。
↑40mm。撮影可能状態では、外形寸法としては、これが最短。
↑60mm。これが最長。
α7Cとこのレンズの組み合わせで、ご飯撮影することをイメージして、最短撮影距離で撮影してみた。
↑60mm
↑28mm
写真の縦方向で、約15cmの被写体が、縦一杯に納まってるから、一品モノの食事でも、しっかりと寄れて撮影できそう。
徹底的に、小型軽量化をつきつめた印象のレンズだ。
ボディのみと、ズームレンズキットの価格差をみると、3万円。十分価値ありと思える。
が、、、2021年春に、単体販売開始となるが、単体の希望小売価格60,000円で、実売がまだわからないが、それでも少々お高めかなと。
コンパクトなα7Cとセットで使ってこそ、レンズのコンパクトさが生きるってもの。是非、α7Cはズームレンズキットがオススメ。。。
※といいつつ・・・
SEL28F20(FE 28mm F2)ソニーストア価格52,880円+税(サイズが似てるα6600をモデルにして)
↑キットレンズもいいけど、ちょっとがんばって、このレンズも結構マッチするかと。
↑F2という明るいレンズによる、ふんわり背景ぼけは、キットレンズには表現できない。
キットレンズより、2万円少々お高く、28mm単焦点だけど、ワンランクもツーランクも上の描写が楽しめる。。。
α7Cのシャッター音
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まとめ
世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7C」。
ビッグヒットとなっている、α7Ⅲの基本性能を踏襲しつつ、このコンパクトさにしあげたのは、素直に拍手。
さらに、技術の進歩の速さを痛感させる、α7Ⅲをも上回る機能ももりこんだ、ソニー渾身のカメラに仕上がった!
ごりごりに撮影を楽しむ層のメインカメラとしては、正直、オススメできる種類のカメラではないが、その層のセカンドカメラや、気軽に撮影したいという人、これから、ちょっと気合い入れてカメラをはじめたいという初心者には、安心してオススメできるモデルだ。
ということで、これまでのα7シリーズとは、また、違った用途、違った層に向けての、ソニーからの新たなメッセージが込められたカメラ、それが「α7C」なのだ!!!
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デジタル一眼カメラ「α7C」
ILCE-7CL(ズームレンズキット)ソニーストア価格239,000円+税
ILCE-7C(ボディのみ)ソニーストア価格209,000円+税
10月23日(金)発売
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Eマウント用レンズ『FE 28-60mm F4-5.6』SEL2860 希望小売価格60,000円+税
2021年春発売予定
>ソニーストア(9月18日(金) 10時より予約販売開始予定)
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フラッシュ 『HVL-F28RM』希望小売価格27,170円+税
12月11日(金)発売予定
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