ソニーのハイレゾオーディオ「HAP-S1」は、「イイ音」「簡単」な、革命児だっ!
突然、ハイレゾオーディオ業界に殴り込みをかけた、ソニー。
ハードメーカーでありながら、巨大な音楽会社を傘下に持つ、希少な存在。
ハード、ソフト(コンテンツ)両刀を従えて、ハイレゾ界へ乗り込んできたソニーの本気を形にした製品、アンプ内蔵ハイレゾオーディオプレーヤー「HAP-S1」。
ウォークマンZX1もFもすごい。が、、、あえて、HAP-S1を、ハイレゾ成功のキーアイテムと考える。。。
ポータブルオーディオプレーヤー+ヘッドホン。それぞれがハイレゾ対応になってさえいれば、意外にも手軽に、CDを超える高音質ハイレゾオーディオを楽しめる。
ところが、自宅で、据え置きオーディオという形で、スピーカーを使って楽しもうとすると、一気にハードルが高くなる。音楽CDでは、ハイレゾ音源を収録も再生もできないため、結局はPCに頼らざるを得ない。確かに、ウォークマンなどへ、曲を転送するためにもPCは不可欠だが、据え置きハイレゾを楽しむためには、さらに高いPCスキルが求められる。
音質にこだわるなら、HDDなど機械回転モノは、よろしくない。結局、「ハイレゾ=非ディスク音源」を再生するなら、ネットワークの向こうにある音楽データをやりとりして再生するほうがいいらしい。ネットワーク、、、ファイアーウォール、、、DLNA・・・。難解だ^^;据え置きハイレゾ=ネットワークオーディオ=難解。そんなイメージか?
そんな玄人限定の据え置きハイレゾオーディオのイメージを一変させてしまうのが、この「HAP-S1」なのだっ!
・高音質
・リーズナブルな価格
・操作が簡単
・音源管理が簡単
・スムーズな動作
いわゆる、DLNAを使ったストリーミング式の再生をやめ、HDDを内蔵し音源を保存、ローカル再生という方式をとっている。もちろん、機械回転モノの振動対策などを万全に施しているのは言うまでもない。
音源は、ネットワークを通して、ファイル共有で、転送する。
なんか、難しそうな話になってきたが・・・。やってることはすごいんだけど、実は、「人間は楽チンなのだ」
●操作が簡単
大画面だし、画質もいいし、、、見やすい4.3型モニターを使って、プッシュ式のロータリースイッチを使って操作するだけ・・・。
といわれても、やはり、操作性がいいとは言えない。
なんせ、本体には500GBという、ブルーレイレコーダー並の大容量ハードディスクが搭載され、、、その中からお目当ての曲を探すのは至難の業。
画面のUIはよくはできてる。HDD内の楽曲を、LAN経由で情報を拾ってきて、上手く整理し、、、ジャンル、アーティスト、アルバムごとに仕分けしてくれて、少しでもお目当ての曲にたどりつきやすいような工夫が。でも・・・。
やはり、スマホorタブレット必須と、言いたい!
↑Xperia Zの画面(スマホは、画面縦固定)
↑Xperia Tablet Zの画面(タブレットは、画面横固定)
(フルブラウザ機能は、タブレットだけの特権)
基本操作は、おそらく、説明不要だろう。
ジャンルなどの仕分け以外のところでは、おまかせチャンネル、プレイリスト、お気に入りという、3つのカテゴリーが、さらに、お目当ての曲へのアクセスを簡単にしている。
●おまかせチャンネル
内蔵HDDに取り込んだ曲を、
朝のおすすめ / 昼のおすすめ / 夕方のおすすめ / 夜のおすすめ / 深夜のおすすめ / アクティブ / リラックス / アップビート / メロウ / ソファラウンジ / エモーショナル / ダンスフロア / エクストリーム
という、13のチャンネルに自動仕分け。
仕分け作業も、ネット使って勝手にやってくれるから、ほっとけばOK。
あとは、気分にあわせて、13のチャンネルを選ぶだけ。
昼と、深夜の聴き比べ、、、結構面白いっすよ!雰囲気全然違うし^^
●プレイリスト
かなり認知度はあがってきたと思われるプレイリスト。
アルバム、アーティストの敷居を超えて、「マイベスト」を作る機能。。。
すさまじい数の曲を保存できるだけに、絶対使いこなせないといけない。
使いこなせば、自分の音楽財産を掘り起こすこともできて、超楽しい。
↑プレイリストは、自分が作ったマイベスト形式の他、再生回数によるリストもある。再生回数最少ってのがおもしろいよね。これこそ掘り起こしだよねぇ^^
↑完全ジャンル無視の店長野田ヘビロテなんていうプレイリストを作り、主に、閉店後に聞きまくってる。高尚な音楽もあるし、マイコーもあるし、AKBもあるし、、、AACの低めの転送レートから、DSDの最高音質まで。要は、音楽は、楽しけりゃいいのさぁ!
●お気に入り
曲ごとに、ハートマークのお気に入りチェックをいれることができて、その曲だけをピックアップしたのが、お気に入り。
再生してるときに、グレーアウトしてるハートマークをタップするだけで、お気に入り登録される。その横に気に入らないマーク用のブレイクンハートマークもある。。。
プレイリストとお気に入り、うまく使いこなすことで、数千~数万の楽曲をうまーく楽しめそうだ。
●タブレットだけの特権「フルブラウザ」
名称をもうひとひねりしてほしいところだけども。
これ、相当便利。
ジャンル→アーティスト→アルバム→トラック
と、ツリー形式の表示。これが、フルブラウザ。(ツリーの順番入れ替える事も可能)
なにが便利って、、、特になにを聞くってわけじゃなく、なーんとなく、HDD内をブラウズするのには、最適。あ、、、だからフルブラウザか^^;
トラックまでたどりつけば、タップすれば、再生される。
再生中は、画面したに曲情報が表示される。
こんな感じで、次から次へと、お目当ての曲にあたるまで、、、「曲のザッピング」が可能なのだっ!
●音源管理が簡単
まずは、楽曲の転送方法から。。。
・Media Goで、楽曲を購入 or CDなどからリッピング
以上。これだけ。
ん?と思われるかもしれないが、、、HAP-S1最大のウリの1つが、この音源管理の簡単さなのだ。
仕組みはこんな感じ↓
HAP-S1購入時の設定で、自宅のネットワークへ接続(有線でも無線でも可)。
http://www.sony.jp/support/audio/download/hap-music-transfer-win/
↑ここから、HAP Music Transferをダウンロード&インストール。
特に悩むところもなく、設定できるだろう。
↑最も重要なのがここ。
「自動転送」するパソコンのフォルダを指定する。
「ミュージック」フォルダを監視フォルダに指定すると、、、その中の指定した拡張子を持った音楽ファイルが、、、自動的にHAP-S1へ転送されていく。
もちろん、自動なので、普段なにも意識する必要がない。
Media Goで楽曲を買ったりリッピングしたりしても、、、勝手に転送されていく。
ちなみに、転送された楽曲は、勝手に削除されることはないため、PC側の曲データを削除しても、HAP-S1内のデータには影響がない。つまり、「PCと同期」という形ではないわけ。あくまで、PC内の指定したフォルダ内に、指定した拡張子の音楽データが出現したときだけ、HAP-S1へデータ転送するわけ。
この自動転送、、、実は、ものすごくシンプルなシステム。
HAP Music Transferがやってる仕事としては、登録されたフォルダを監視し、指定されたデータが出現すると、あとは、Windowsのファイル共有の機能を使って、転送する。という形のようだ。そのため、、、HAP Music Transferを使わなくてもなんの問題もなく転送は可能。
OSからも、↑こんな感じで、エクスプローラーからHAP-S1が見える。
この中に、適当に整理整頓を心がけつつ^^;、ドラッグドロップで曲をコピーしていくだけで、OK。
あとは、HAP-S1が、がんばって、仕分けしてくれるから。
↑ファイル共有なんだから、Androidからだって、音楽転送OK!
●スムーズな操作
↑Xperia Zと、Xperia Tablet Z、同時利用OK!
どういうふうにOKかというと、、、
片方でボリューム調整すると、そのスライドバーがほぼリアルタイムにもう片方の画面に反映される。
別の曲再生にチェンジすると、、、もう片方の画面の再生中画面が即更新される。。。
リピート設定を変えると、もう片方の画面にも即反映される。
とまぁ、こんな感じ。
リモート端末間でも、この高速レスポンスなんだから、HAP-S1との高速レスポンスは、言うまでもなし。
基本的な曲情報なんかは、リモート端末側で持ってるから、DLNA再生でよくありがちな、「読み込み中」の表示は出ない。
一応、情報更新ボタンもついてるけど、使用頻度は低そうだ。
↑見よ!この高速レスポンスを!保存してる約1,000曲が、一気にスクロールされていく!
●ハードの話をしてみようか。
↑付属品一式。
電源ボタン、Homeボタン、Backボタン、再生/停止ボタン、そして、音量ツマミ。シンプル。
入力は、光、コアキシャル、アナログRCAステレオ×2の4系統。
出力は、D/AダイレクトのアナログRCAステレオ1系統。
外部ストレージ用にUSB端子×1。
有線LAN端子(無線LANも対応)
その他の仕様
対応フォーマット DSDIFF(DSD/2.8/5.6MHz)、DSF、FLAC、WAV(192kHz 24bitまで)、AIFF、AAC、WMA、MP3、ALAC、ATRAC。
266(幅)×88(高さ)×304(奥行き)mm、5.8kg
画面解像度、発色なども、申し分なし。このまま動画再生できるんじゃないか?^^;
↑まぁ、賛否両論あるだろうけど。フツウよりはこだわってるLANケーブル。
ストリーミング再生するわけじゃないから、影響あるとは思えないけど。。。
↑付属リモコン。ボタンは見た目からは意外にも、ラバー。押しやすい。
できることは、ホントに限定してて、電源、再生/停止、送り/戻し、音量↑↓、消音。これだけ。十分かと。
ハイレゾ音源にふさわしい、ハイグレードなパーツが盛りだくさん。写真は、40W+40WのLR独立型広帯域パワーアンプ。
まず、、、頭白くて黒いボディのでかい円柱2つ、これは、新開発の大型電源ブロックコンデンサ。他にもサイズ違いの子供みたいなのがあるが、それぞれ高品位な音質電解コンセンサ。
でかいコンデンサの足下にある、なにやらナスカの地上絵チックなのは、ワンポイントグランドストラクチャー(1点アース構造)。オーディオ信号の基準点を1点に集中させる目的。
緑色の基板は、ガラスエポキシ基板。振動に強く、ノイズを低減できる。
フロントパネルから天板には、暑さ3mmの一体型アルミニウム無垢材を使用。
さらに、暑さ1mmの高剛性シャーシーを使用。
持てばわかる!ぉ、小ぶりなくせに、生意気な重量じゃないかと。
アンプ回路への不要な振動の伝播を抑え、安定した力強い音を出力。
ほかにも随所に、音のための工夫がほどこされている。
CDドライブはないし、それによる大きな振動対策も不要だし。その分、贅沢な設計ができる。
これ、本当にリビングオーディオ機器なのか?というほどのこだわり製品だ。
●最適な相棒
↑HAP-S1の、一番の相棒には、やはり、これ。SS-HA1でしょ。
↑弟分にあたる、SS-HA3もそうだが、2つのトゥイーターが印象的。
WD(Wide Dispersion=広指向性)スーパートゥイーターと呼ばれる、高音を担当するトゥイーターを、上面と前面に配置することで、いわゆる、高音の「おいしいエリア」をぐっと広げてる。真正面にどかっとすわって試聴するというよりは、リビングなど、比較的広いエリアでも、幅広くイイ音を楽しめることを想定している。
ボディは、剛性の高いアルミニウム・キャビネット。
印象的な、ボディ形状は、回折を抑えるため、大胆に「カド」をカットしている。これにより、指向特性が改善され、自然で広い音場再生が可能に。
●HAP-S1+SS-HA1で聴いてみよう
まず、、、いきものがかりの最新アルバム「I」を。
これは、CD音源(当然、16bit 44.1kHz)と、moraからダウンロードしたハイレゾ音源(24bit 96kHz)が、両方そろっているので、聞き比べがしやすい。
やはり、ボーカル押しのグループだけに、「声」に注目しがち。ツヤが出るとともに、より澄んだ声に。なにより、空間というか、広がりを感じるというか。。。
そして、音質チェックには必ず使うし、個人的にも常時ヘビロテになってる、Tinaの「Colorado」というアルバム。残念ながら、ハイレゾ音源はリリースされてない。が、なにより、ヒジョーにいろんな機器で聴き比べしてるため、HAP-S1+SS-HA1の組み合わせの聴き比べができそう。
1曲目の冒頭、サックスソロから。街頭でのサックスソロパート。雑踏独特のなんの音というわけでもない音が、サックスをより引き立てる。が、今までの機器では感じたことのないほど、サックスがぐぐっと前へ出てくる。雑踏のざわめきはいやらしい輪郭強調もなく、奥行き感の演出に一役かってる印象。その後、アコギが登場するが、弦をはじく音までもが聞こえそうだ。そして心地いいコーラス。いよいよボーカルがスピード感あるドラムとともに登場。すごい!声量のあるボーカルが、がんがん攻めてきやがる。
2曲目は、キレのあるベースから。少しスピーカーから離れて、部屋の中を歩いてみる。ほぉ、確かに、2つのトゥイーターによる「おいしいエリア」が広がるというのは、よくわかる。「ここに座るといい音で聴ける」ではなくて、「ここーらへんに、ふわーっと座ってもイイ音で聴ける」そんな感じかも^^
ということで、数日間、ヘビーユースしてみた印象は・・・。
ハイレゾをじっくり腰を据えて聴くのも、、、BGMとしてなーんとなく、流しっぱなしにして聴くのも、、、リビングオーディオとしては、バツグンのパフォーマンスを発揮してくれるぞと。
ネットワークを使って内蔵HDDに音楽を貯めるというスタイルは、DLNAを使ったネットワークオーディオよりはるかに扱いやすく、また、スマホやタブレットを使っての操作性向上させるアイデアも現実的。
そして、、、お値段も・・・セットで、149,600円と、リアリティある価格だ。。。
ウォークマン+ヘッドホンもいいけど、、、そろそろ、部屋の中で、スピーカー使ってイイ音を楽しもうじゃないかっ!