<検証企画>プロジェクター用スクリーンは本当に必要?白い壁へ直接映すんじゃだめ?<前編>
前編、後編と、2回にわたって、お届けする、検証企画だ!(後編はかなり先の話)
スクリーンの代わりに、白い壁などが、使えるのか?
っていう、検証をするのだ。
ホームシアターショップとして、うん十年の経験からは、、、スクリーンの代わりになるものは、ないっ!と思っているんだけども・・・。
スクリーン代用を謳っている「壁用塗料」や「壁紙」は、あるものの、画質面では、どうしても納得できず。それらは、
・スクリーン設置が難しい
・美観が重要
など、画質よりも優先する理由がある場合に使う。用途によってスクリーンと使い分けるもの。
以前、とある、ショールームで、「壁用塗料」をスクリーン代わりに施工させてもらったことがあるが、美観は完璧、画質はだめ。「BGV」代わりに映像を流しっぱなしにするから、画質は二の次。美観が重要。だから、「壁用塗料」がベストだったのは、今でも、疑っていない。
また、とある大学生が、4畳半の部屋にプロジェクターだけ購入。スクリーンをどうするのかと思いきや、「白いシーツ」で代用するそうで。反対はしたが・・・。やはり、完全に失敗。ひどい映像。結局、格安スクリーンをS字フックで設置。
とまぁ、以上のことを、踏まえて。。。
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さて、今回、コールスペースデザインにて、これから施工予定のセレブリティハウスにて、ホームシアターを設置したいというご依頼が。映像にはこだわりがあるものの、美観についても、強いこだわりが。
「壁に映しつつ、高画質で」
というオファー。スクリーンなしなら、違和感ないし、自然。が、画質はちょっと厳しいと思う。
餅は餅屋。スクリーンメーカーの担当さんにずばり質問してみよう。「壁一面に張れるようなスクリーンない?」と。「そんなものはない」って言われるのを覚悟して、、、
ってことで、「オーエス」さんに聞いてみたところ。
「製品でありますよ」
まじかっ!!!!
↑紙のスクリーン。が、紙と言ってもあなどれない。
↑こだわりの5層構造で、さすがスクリーンメーカーの製品らしく、「反射特性曲線」という、測定結果まで公開している。
っていうか、真っ正面ゲイン0.8ってのは、少し暗そうだが、普通のスクリーンとしても、申し分ないじゃないか。
●公式サイト掲載のうんちく
「パペルマット」は紙の持つ素直な画質再現力、自然素材という点を生かし、環境にこだわった塗装剤・表面処理剤を使用しているため、スクリーンとして安定しているばかりでなく、そのままリサイクル資源として処理できます。
「パペルマット」は拡散型スクリーン生地です。拡散型なので、部屋のどの方向から映像を見ても、同じ様に再現された映像を見ることが出来ます。
↑いやまて、、、そのパペルマットは知っているぞ。60インチ、80インチで製品としてあるじゃないか。違うんだよ、探しているものは・・・
↑え?なになに?「巻き」で売ってるだと?しかも、1,820×5,000mmという、長尺で。
で、壁紙張るのと同じ施工が可能だと?
ってことは、プロジェクター投影面の壁一面に、これを張ってしまえば、その壁全部がスクリーンってことかっ!!!
↑紙なので、適当なサイズに、ハサミやカッターでカットして、、、磁石でくっつけるというのもOK。もちろん、画鋲も。
なんか、紙だけど、求めてるものが揃いすぎてて怖いんすけど。じゃぁ、あとは、お値段。お高いんでしょう?
↑メーカー直販サイトで、1万切りだとっ!!!!!!!
いやいや、、、なんか、逆にアヤシイよ。
ってことで、ここは、実際に、検証してみよう!担当さんへ、1本発注おねがいしまーす。
↑早速、5m長尺方向で、1mでカット。紙だから、カッターで簡単に切断。
見ての通り、裏面が黒ってのも、さすがスクリーンメーカーらしい。遮光になるから。
↑その裏面には、メーカーラベルがあって、シリアル番号やサポート電話番号までも記載されてて、安心感がはんぱない。「生地原反」っていうのも、なかなか生々しくてよろしい^^
↑シアタールームの、「オーエス最高画質フラッグシップモデル」の「レイロドール」生地のスクリーンへ、マグネット使って設置してみた。紙だし、黒みへのマグネット使用だし、スクリーン生地を傷めることもない。
では、消灯しまーす。
当店シアタールーム常設機「VPL-XW5000」で、検証。
↑え?うそやん。ぱっと見、違和感ないやん。。。
↑映像によっては、まじで、違いがわかりづらいことも・・・
↑ほんとに、紙のスクリーンなのか?
↑解像感も、かなりいい線いっている。フラッグシップモデルスクリーンとの比較は少々厳しいとは思ったが。なにせ、お客様希望のプロジェクターが「VPL-XW7000 ソニーストア価格1,980,000円(税込)」の、現行フラッグシップ機だし、このくらいやらないと。
↑拡大してみる。やはり、すこし粗いのがわかるが・・・。
画質比較をしてみると。。。
・少ーし暗い。
やはり、レイロドール生地は、真っ正面ゲインが2.7と、非常に明るいためだ。
・解像度はすげーがんばってる。
ちょっと驚き。壁紙にありがちな、凹凸がなく、スクリーンらしいフラットのため、ざらざら感が非常に少なく、乱反射もない。非常に良く解像している。一方、凹凸がないと、ホットスポットという、プロジェクターの光自体が鏡のようになって反射し、丸い電球のようなものが見える症状が出てしまう。極端な例だとホワイトボードに投影した場合だ。これは、、、ない。ほんとにないのだ。
・発色も悪くない
解像感同様、色も驚き。「5m巻き」で1万円のスクリーンとは到底思えない。
ということで、シアタールームでの検証結果は、、、画質面でのコスパ最強。実際、スクリーンとして60型、80型として販売されているものなので、代用品というよりは、スクリーンなのだ。
注意点としては、、、
・紙だから、折れ目がつきやすいし、ついたら最後、回復不可能
・紙だから、破れやすい。コピー用紙よりはよっぽど分厚いが、指で簡単に破れる。
・設置方法は、注意を。画鋲、マグネット、テープ、、、常設するには不格好だし、かといって、使うときだけだすのも、紙の耐久性を考えると・・・。
ということで、やはり、ベストは、壁紙として、壁に常設貼り付けすることだろう。特に新築の場合であれば、そこに張るはずの壁紙をやめて、このパペルマットを壁紙として張ってしまうのだ。通常の壁紙同様の施工でOKとのことで、プロの「クロス屋さん」の仕事でOKなはずだが、実際に施工しての感想を聞いてみないと。
次回、、、いつになるか未定だが、、、セレブリティハウス建築終了し、ホームシアター施工後にでも。あ、その前に、明後日、施主様へのプレゼンで、OKいただかないと。。。
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